第12回骨髄病理国際ワークショップ
第69回 埼玉病理医の会 (H27年2月13日)
国際学会参加報告 佐々木 惇(教授)
第18回国際神経病理学会議がブラジルのリオ・デ・ジャネイロで2014年9月14日から18日にかけて開催されました.写真は会場となった,Sheraton Rio Hotelです.
国際神経病理学会議は現在,4年に1回の割合で開催されており,私は1986年の第10回国際会議(ストックホルム)以来,毎回参加しています.今回は南米で初の開催でした.参加者はブラジルを筆頭にアメリカ,日本などからで欧州からの参加者もかなりの人数でした.ただし距離的な関係もあり,日本からの参加者は従来の会よりも少なく,韓国や中国の参加者はごく少数でした.
今回の学会では,松果体部実質腫瘍の臨床病理学的特徴に関する研究を発表してきました.国際医療センタ-の西川教授(脳脊髄腫瘍科)や清水教授(病理診断科)らとの共同研究です.学会では,旧い友人(ドイツ人で現在はシドニー大学教授)とも再会することができました.彼とは第11回国際神経病理学会議(京都,1990年)で初めて会い,同じ研究テーマ(ミクログリア)を持つことや彼が親日家であることなどから今日まで親交が続いています.現在はメールもあり,Skypeもある時代ですが,やはり直接会って話すことでより大きな喜びが得られます.
次回,2018年の第19回会議は日本神経病理学会主催で,東京で開催されます.多くの若い先生が参加し,海外の友人とのfriendshipを作ってもらえるように,日本神経病理学会理事の一人として今後準備していきますのでよろしくお願いします.
第103回 日本病理学会総会 医学部ESS(英語研究会)
去る2014年4月、医学部ESS(英語研究会)部員の学生さんたちが広島で開催された第103回日本病理学会総会でポスター発表をおこないました。これは2013年度の課外学習プログラムとしてESSの部活動と病理学とがリンクしたもので、昨年秋に東京で開催された、英語で行うCPC臨床病理検討会大会にエントリーした3症例の報告を行いました。学会での発表は日本語でしたが、外科の協力を得て発表内容を追加したり、HE染色標本ではわかりにくい「心不全細胞」を鉄染色標本で観察するなどのさらなるブラッシュアップが見られました。 彼らからは「基礎医学と臨床医学のつながりがよく理解できた」「病理組織像が読めると他診療科の臨床実習に役立つ」との声も聞けました。
国際学会参加報告 茅野 秀一(准教授)
造血器腫瘍の新WHO分類が出版されてすでに5年が経過し、各疾患の診断基準の問題点なども指摘されるようになった今年、骨髄病理国際ワークショップが開催され、筆者も急性白血病との鑑別が問題となる赤芽球増生の顕著な骨髄異形成症候群の1例を報告しました。
この学会は欧州骨髄病理ワーキンググループの開催でヨーロッパ各地で2年ごとにまわりますが、今回の開催地はドイツ、ミュンヘンでした。ミュンヘンはオクトーバーフェストが有名ですが、学会の開催された9月初旬、われわれは学会懇親会で一足早く雰囲気に浸って参りました。写真はその時の模様で、民族衣装を着飾った人々のなかには今回の学会長であるMarcus Kremer先生もいらっしゃいます。