II. 卒後医学教育における病理学教育
1. 初期臨床研修:
病理を研修することの恩恵(リンク:日本病理学会、埼玉医大病院臨床研修委員会)
初期臨床研修に病理を研修することは医師としての第一歩をふみだした若者にとって将来の重要な「先行投資」といえます。臨床研修がベッドサイド中心に行われるのはもちろんですが、だからこそ病気の本体を追及する病理診断という、いわば病院の舞台裏を知ってほしいのです。具体的には、病理診断の切り出し、顕微鏡での観察、病理診断報告書の作成、病理解剖での執刀などが研修内容として挙げられます。結果として、患者さんから採取された組織、細胞検体から十分な情報が得られるような適切な取り扱いができる(逆にいうと間違った取り扱いをするとどんなことになるか)、頻度の高い病変の病理所見に親しい、病名からイメージが浮かぶ、病理診断が日ごろどのようになされているのかを知った上で病理検査をオーダーする(病理に出せばなんでもわかると思っているベテランの医師もいないわけではない)、病理診断のコメントにこめられた病理医の含蓄がわかる、という風になってもらえたらと思っています。病理を研修してみて病理診断の魅力に気づく方もきっといるでしょう。その時は遠慮なくわれわれに相談してください。
2. CPCレポートの書き方:
初期臨床研修では、研修期間中に少なくとも病理解剖に立会い、その症例のCPCレポートを作成することが義務付けられています。一方、なくなられた患者さんのうちで病理解剖に付された方の割合(剖検率)は全国の病院で大幅に低下しており、病理解剖の1例1例が、若い医師の勉強の場として大変貴重なものになっています。
CPCレポートは臨床経過のまとめ、臨床上の問題点、解剖結果、考察を記載することが必要で、臨床上の問題点に答えるために病理解剖がなされ、病理が問題点に回答するという点を考慮してCPC(clinicopathological correlation, 臨床病理相関)レポートと呼ぶのです。
CPCレポートは文献を引用したしっかりした考察があり、アカデミックな書き方をすれば医学論文として通用します。研修医が担当例として経験した病気、経過や合併症、転帰を客観的に振り返るには、教科書のみならず複数の文献を読んで、基本的な理解から最新の知識までをカバーすることが必要です。
3. 病理専門医を目指す方に
病理専門医となるには診断、解剖の能力、実績とともに症例報告など論文実績も要求されています。将来、病理医としてやっていこう、あるいは自分は研究志向があるという方に埼玉医大の病理学教室はおススメです。教室開設以来、われわれは人体病理学を中心に研究を展開してきています。ですので組織としては医学部病理学教室と大学病院中央病理診断部は別組織ですが、病理医はその両方に属しています。
基礎医学と臨床医学の架け橋である病理学は、学校と病院の架け橋でもあるのです。
4. 問合せ先
意欲ある病理医・後期研修医を募集していますので、
山田 健人(taketo@saitama-med.ac.jp)
TEL:049-276-1164(病理学)宛にまず連絡してください。お待ちしています。
※メールは「@」を半角に修正してお送り下さい。