埼玉医科大学 病理学・中央病理診断部

診断実績・研究

<外科病理・細胞診診断業務>

埼玉医科大学附属病院中央病理診断部において,生検材料・手術材料・細胞診材料・染色体材料が,いずれも毎日受け付けられている.
診断結果は染色体検査を除き,コンピュータ化されている.診断には通常のヘマトキシリン・エオシン染色に加えて,免疫染色・polymerase chain reaction(PCR)法,in situ hybridization(ISH)法,fluorescence in situ hybridization(FISH)法も腫瘍診断に導入されている.
過去6年間の病理診断数を【表1】に示す.
月曜日,火曜日,金曜日の午後4時から外科病理カンファレンスを開いて,興味例,診断困難例などに関して,個々の症例検討を行い,幅広い意見のもとに最終診断を行っている. 毎月第4月曜日の5時から細胞診カンファレンスを行い,医師,検査技師のレベルアップをはかっている.

【表1】検査件数

年度 2012201320142015201620172018201920202021
組織診断7,1637,6407,9468,0909,0128,9608,6018,9448,1119,162
(迅速診断)10782105901078310591126102
細胞診検査10,70610,66910,98311,19011,16510,83910,94810,5899,30810171
(迅速細胞診)4313322011
電子顕微鏡的診断100959288838454697280
染色体検査8810282106686650507261

<剖検業務>

平成28(2016)年度の病理解剖数は51体で,このうち院内が41体,院外が10体であった.2011年度からの6年間の病理解剖数を【表2】に示す.院外の剖検に関しては,当大学は埼玉県医師会と取り決めを行い,県内の医療機関からの剖検を受け入れている.
毎週金曜日の5時より,マクロカンファレンスを行い,剖検症例に関して,素早くレビューしている.また,clinicopathological conference (CPC)を年間11 回,金曜日の6時から開催し,研修医については出欠を取り,担当科のDoctorには必ず出席をお願いしている.

【表2】

年度 20112012201320142015201620172018201920202021
院  内3745323229414134433029
院  外736841066544
合  計4448384033514740483433
入院患者死亡数390362368367370344383366404393415
剖検率(院内)9.5%12.4%8.6%8.7%7.8%11.9%10.7%9.3%10.6%7.6%7%
剖検率 (合計)11.1%13.2%10.0%10.7%8.8%14.4%12.1%10.8%11.7%8.6%7.9%

<研究>

研究に関しては,巻頭の佐々木教授の挨拶とスタッフ紹介の欄にあるように,『神経病理学』『血液病理学』が大きな柱となっている.特に神経病理では電顕検索やPCR検索が頻回に行われ,2011年以降の検索数は【表3】通りである.
また,脳腫瘍病理検討会(月1回,国際医療センター),消化器外科病理検討会(不定期,埼玉医科大学),血液病理検討会(不定期)に関しては当教室員が主導的役割を果たしている.

【表3】

年 20112012201320142015201620172018
電 顕(脳)8393737277000
PCR 2053561593